2017-02-04

鳥取右往左往――冬の18ゲゲゲ旅 境港編(1)

お寒うございます。住んでいる建物が外壁工事中で、布団を干すことができないため布団乾燥機を使用しているのですが、うっかり夏モードで運転してしまい、ぬくぬくの布団に滑り込んだつもりがひんやり布団で思わず変な声を漏らしてしまった麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。変な声漏らしたりは、してらっしゃいませんねそうですね。


さて、今回の18きっぷの旅は実家スタート。いつもとちがう場所に行ける機会ではあるのだけれども、山陰本線の普通・快速は非常に非常に非常に不便で、ある程度距離を稼いで(貧乏性)日帰りしようと思うと、行き先と乗れる電車が限られてくる。それで今回は出雲市か境港か、どちらにしようか決めかねていたのであった。どちらに行っても到着時間はそう変わらないのだ。しかし出雲に行くならやはり出雲大社にお参りしたいではないですか。ここへは駅からバスで30分かかるけれども、じゅうぶん日帰り圏内。出雲大社に行こうかと思うというと、母も行きたいという。きっぷはあるのでいっしょに行くことに吝かではない。しかし、未知の路線で乗車時間は5時間を超えるとなると、連れて行ったはいいが座る席がなかったりしたら目も当てられない。ということで、下見を兼ねてわたし一人で行くことにした。

予定していた日は妹家ご一行様ご来駕とのことで、その前日に旅を決行。7時過ぎに家を出た時点ではまだ行き先は決まっておらず、まあ乗換駅の米子に着くまでに決めたらいいやと鳥取行快速電車(直角シートだけど、背もたれと座面に傾斜がつけてあって意外と苦しくない)に乗車。


ガラガラでした。

車窓からは日本海が見える。


竹野から香住あたりの海。曇天の下の海は灰緑色で波もあり、いかにも「冬の日本海」という感じ。そういえば初めて瀬戸内海を見たときには、こういう穏やかな貌の海もあるのだなあ、と不思議な感じがして、そら「瀬戸の花嫁」も生まれるわ、日本海では「哀愁特急・日本海」、「女 泣き砂 日本海」、「哀しみ本線日本海」、「泣いて日本海」とか、もうこんなんばっかりやがな、と思ったものだった。

さて、哀しみ本線快速電車鳥取行きは、ただいま餘部鉄橋(現在はコンクリート橋)を渡っております。


東浜あたりで小柄なおばあちゃんが乗ってきて、わたしの真ん前に、もう一度いいます、わたしの真ん前に、お座りになり、おもむろにビニール袋で包んだ(吹き出し防止なのだろう)発泡酒の缶を開けて、外を眺めながら飲み始められた。あの、通路側空いてるんですけど。ほかにわたしより小柄な人がひとりで座ってる席もあるんですけど。どうしてもここがいいと、そして窓際に座りたいと、そういうことですか。狭い。ものすごく狭い。しかたないのでわたしが通路側に移動。おばあちゃんは「やれやれ窮屈だった」といった風に足を伸ばされる。わたしが邪魔だったのですか。わたしが悪かったのですか。

鳥取着。いったん改札を出て駅弁を買い、とっとりライナー米子行き(直角シート!しかもヘッドレストに枕っぽいふくらみがつけてあって、かえって苦しい!そして座席間の空間は広いようだがそれは単に座面が短いことによる!)に乗車。


ガラガラですね。

腹が減ったので、11時頃はやばやと駅弁を食べました。「元祖 砂丘 かに寿し」。


これを開けると、


こう。外箱のものと少しタッチが違うけれども、これは、うーん、過剰包そゲフンゲフン……と、ともかくこれを開けると、


こうじゃ!すし飯に錦糸卵とかに肉が乗っているだけ、味を変えるものは奈良漬と塩昆布という潔さ。少しずついろんなものが入っている弁当もよいものだけど、こういうシンプルなのもまたよいもの。単調な味に飽きてきた頃に口に入れる塩昆布、これがいい仕事をするんですよ、また。ただ、めちゃくちゃ喉が乾く。

食べ終わって、ぼんやり外を見ていると、デキるビジネスマン的な雰囲気を撒き散らしている方が乗車されてきて、わたしの真ん前に、もう一度いいます、わたしの真ん前に、お座りに。あの、通路側なんぼでも空いてるんですけど。よその席、わたしより小柄な人が、それも通路側にひとりで座ってるとこもありますのですが。なんですか、鳥取の人は窓際に座らないと死ぬのですか。

お昼ちょっとまえに米子着。西出雲行きの電車はホーム向かいで待機(この時点でガラガラなのを確認したので、次回は母を連れて行きたいと思います)、間もなくの発車。境港行きは40分弱の待ち時間。なんとなーく、前日に教えていただいた古書店を覗いてみたくなり、境港に行くことにして、改札を出ると、こいつらがいた。


なんなのでしょうか。そして蟹取県とはなにごとか。

駅を出て、大通りをずんずん行く。しかしまだ目的地に着いてもいないのに、本屋に行くのか。本を見たら、買う以外の選択肢をもたない人間が、前半戦で、本屋に行くのか。どうせまたアホみたいに歩くのだから、買ってしまうのはしかたないとして、背負って歩ける量にしとけよ、と自分に言い聞かせつつずんずん歩いて歩きすぎ、曲がるべき道で曲がりそこね、気づいて引き返すも電車の時間が迫っており、書店に寄ることができなかったのは、ある意味よいことだったのだろうと思うことにして、境線ホームに向かう。大丈夫です、泣いてません。

米子駅0番ホームから、異界ははじまっていた。


これに……乗るのですね。

乗りましたよ、猫娘車両に。内部は猫娘一色。


天井はこう。


シートも猫娘。この猫娘の可愛いこと。

車内から外を。端っこに鬼太郎いますね。向こうの方にはコナンのラッピング列車が。


「まんが王国とっとり」。こういうお土地柄なのか、鳥取。ウチのイナカは蟹と温泉しか取り柄がない(※個人の感想です)けど、隣県には蟹と温泉と砂丘とまんががあるのだな。負けた気がする。とか思っているうちに、出発。車内アナウンス担当は、鬼太郎と猫娘。

ところで境線の各駅には愛称がつけられており、米子駅は「ねずみ男駅」、境港駅は「鬼太郎駅」。途中さまざまな妖怪の名前のつけられた駅を通過するなか、あんまりメジャーじゃない(とわたしが勝手に思っているだけかもしれないけど)「すねこすり」の名前のついた駅もあった。あとで調べたら、夜道を歩く人の足にまとわりついて歩きにくくする、といってそれ以上の危害は加えない(とはいうものの、ものすごくうっとうしい)妖怪「すねこすり」はその可愛さで結構な人気者であった。しかしこれ、猫と暮らしたことがある人なら絶対知ってますね。歩いていると、猫がまとわりつくまとわりつく。たまに踏んで怒られる。それはまあいい。

米子から約1時間で、終点境港駅着。駅前にはすでにいろいろな妖怪たちのブロンズ像が。


でも、やっぱりこの方でしょ。


水木先生。小さい子が執筆中の原稿を覗き込んで、「上手~」といっていたのが微笑ましい。


では、参りましょう。

(続く)

2 件のコメント:

  1. 電車の揺れさえあれば吊革につかまったまま立って寝ることもできる私ですが、猫娘電車では寝られないと思いました。

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    1. omojiさん、コメントありがとうございます。

      ええ、わたくしも妙な緊張感で、終点境港に着いたときには全身が強張っておりました。

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