2016-05-20

日々雑記 2016 May #2

11日(水)

ぶどう酵母液でパン種を仕込む。参考にしたサイトのFAQに「うまくいかないようであれば、強力粉を全粒粉に代えて仕込むとよい」とあり、なんとなくだがうまくいく気がしなかったので、いきなり全粒粉で仕込んでみた。


うまくいってるっぽい。予想外だ(なぜだ)。


12日(木)

本日、所用で訪ねたところが来客中だったので、しばらくぶらぶらしてからもう一度行こうと近所をうろついていて、たまたま入った古書店で、ダニエル・アラルコン『夜、僕らは輪になって歩く』、キルメン・ウリベ『ムシェ 小さな英雄の物語』買った。各1,500円。ミシェル・ウエルベック『ランサローテ島』、フリオ・コルタサル『愛しのグレンダ』、ロベルト・ボラーニョ『2666』もあったが、まだ値がついていなかった。ついていたとしても、この時点で財布に2,000円しかなかったから、どう考えても買えないけど。

夜、僕らは輪になって歩く (新潮クレスト・ブックス)
ダニエル アラルコン Daniel Alarc´on
4105901230

ムシェ 小さな英雄の物語 (エクス・リブリス)
キルメン・ウリベ 金子 奈美
4560090424

ランサローテ島
ミシェル ウエルベック Michel Houellebecq
4309206514

愛しのグレンダ
フリオ コルタサル Julio Cor´azar
4000221523

2666
ロベルト ボラーニョ 野谷 文昭
4560092613


13日(金)

腰が痛い。ここ何年かは酷い腰痛はなかったのだが。でもまだ歩けるだけマシか。

考え事をしていて階段を踏み外した話を知人にしたら、何を考えていたのか訊かれた。覚えてないけど、だいたいいつも何か考えてる、というと、最近どんなこと考えてるのかと問われたので、走馬灯のこととか、夏みかんとはどういうことを指すのかとか、と答えた。彼女は妙な生き物を見るような目でわたしを見た。あっ、これはいかん、ちゃんとしたことだって考えているのだとアピールしなければ。あの、「夏みかん」問題はですね、みかん界における夏みかんの位置づけを語学的な見地からはっきりさせようとする試みだし、えっと、あとはアレだ、「バカボン」とは果たして固有名なのかとか……彼女は哀れむようにわたしを見た。うん、もう、なんかいろんなことがどうでもよくなりましたね。


14日(土)

たぶん衣類の害虫の成虫であろう蛾が部屋の中を飛びまわっている。いや、米の害虫の成虫かもしれない。なんにせよ、出ていってほしい。


15日(日)

午前4時半から1時間ごとに悪夢を見て目を覚まし、最後は家族旅行で泊まった旅館に、後から合流してきたローリー寺西氏から土産を買ってきてくれと金を渡されるが、結局一緒に買いに行くことになり、彼が生マグロを1本買うのを止めることができなかったところで目が覚めました。おはようございます。

鮮度落ちるの早いからやめろっていってもきかないんですよ、ローリー。

朝めっしーは、はちみつくるくる巻きパンケーキ。


これはイースト使用。次回は例のアレでいってみようと思う。

食べたらパンを仕込む。


仕込んだら、ついにこたつの片づけに着手。掃除していて耳掃除には欠かせない綿棒の容器をうっかり取り落として大破。愕然とするが、床に散らばってしまったものは仕方ない。掃除用に使うしかないな、と元容器に収めようとするも、まあ入りゃしない。これが「覆綿棒容器に返らず」という故事である。なかったですか、そんな故事。ともあれ、どうにかこうにか綿棒を容器に押し込んで、夏のちゃぶ台として使用している二月堂を出す。ああ、やっと我が家に夏が来た。

昼めっしーは大根そば。


大根は7cm分ほどを切って湯がいた(1~2分湯がいて氷水に放す)のだけど、残った分は夜にサラダにでもして食べようと思っていた。が、麺つゆで食べるシャキシャキ大根がうますぎて、つい追い大根してしまい、結局全部(写真の大根のおそらく3倍量ほど)食べてしまったのだった。

仕込みから2時間のパン。


だいたいどんなつくり方を見ても「2倍程度になったら」って書いてあるんだけど、目測で体積2倍なんてわかりゃしねえ。ので、ちょっとふくらみ方が足りないような気はするが、まあいいでしょ、食えないことはないはずだ、とこいつに正拳突きを入れる(ガス抜き)。

午後は本の整理をしつつ、某呟き処で流行している「文庫川柳」用の選書。川柳より短歌のほうがつくりやすいように思う。もちろん、クォリティが高いのがつくれるという意味ではなくて、文字数が多いぶんやりやすいというだけの話。やってると楽しい。楽しいが、肝心の本の整理がおろそかになる、というか、室内における足の踏み場がどんどんなくなっていく。危険な遊戯である。

わりと評判よかったものをひとつずつ。


「沖で待つ 双頭の船 猫の客」



「停電の夜に 甘い蜜の部屋 葡萄酒の色 血のごとく赤く」

自分で気に入っているのとほかの人が評価するのって違うんだな。ちなみに自分が気に入っているもの。


 「ペンと剣 これはペンです アメン父」



「まあだかい リア王 マクベス ハムレット 愚者が出てくる、城寨が見える」

  遊びに熱中片づけに熱中していてパンのことをすっかり忘れたまま夕方になった。やっぱりふくらみが悪いような気がするが、焼いてしまう。


まあそれなりに焼けた感じ。匂いは甘くとてもよろしい。けっこうずっしりしたドイツパン風で、これはこれで嫌いではない。そして天然酵母の場合1次発酵にひと晩かかる、なんて説明も見てしまったので、ひょっとしたら少し早かったのかもしれない。まあ、やはり発泡が少し弱いようなので、元種はパンケーキなどに使うことにする。


16日(月)

朝食に、ぶどう酵母の種を使用した、そば粉のパンケーキ。


焼けたものからはちみつをかけて5枚重ね。これは軽くてなかなかよろしい。

夜、しばらく前から痛かった腰が、本格的に痛み出す。困る。


18日(水)

ぶどう酵母の二代目を仕込む。前回使用したのとはちがう干しぶどうで仕込んでみる。


19日(木)

腰痛が酷く、床に落としたものを拾う姿はさながら生まれたての仔鹿のよう。いやそんな可愛くないですねすみません。

仕事帰りに、職場から徒歩約20分のところにある〇ックオフに行く。ローラン・ビネ『HHhH(プラハ、1942年)』が960円。半額以下である。であるが財布どころか預金までがこころもとない昨今。こないだ古書店で3,000円も使ったところなのに。なのに。なのに。と悩むこと2時間(悩んでいただけじゃないけど)。悩みすぎで頭がオーバーヒートしたのでなにも買わずに帰る。阿呆である。いや、それより腰がめちゃくちゃ痛い。当たり前だ。

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)
ローラン・ビネ 高橋 啓
4488016553


20日(金)

昨日〇ックオフで悩んだのがいけなかった。朝目が覚めて最初に出た音は「いでででででで」。まずい。かなりまずい。伝い歩きをはじめたばかりの赤子のような足どりで、そろりそろりと仕事に出かける。

帰宅後、酵母液のびんを見ると


二代目、覚醒。前回より早く、勢いがいい。たのもしい。

4 件のコメント:

  1. 文庫川柳、後ろの2つで思わず爆笑してしまいました(笑)。
    自分もやってみたくなりましたが、麩ーさんのセンスには勝てそうにないですねー。

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    1. れぽれろさん、コメントありがとうございます。

      いやー、いくつか投稿してみたら、自分としては意外なものが好まれておりましたね。
      れぽれろさんの文庫川柳・文庫短歌、ぜひ読ませていただきたいなあ。お願いします。ぜひぜひ。
      わたしも、つくったものをちょっとまとめてみようかな。

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  2. おす!おらともすけ!

    実はコルタサルは読もうと思ってたんだ。
    「山椒魚」読んで面白かったからさ。
    でも新潟のジュンク堂ってコルタサルほとんど置いてないんだぜ。

    いま日本文学やってるからさ時間がないのだけど日本文学ってそんなに悪くないと思うのだけど、翻訳を通して海外文学を読むとなにかあぶりだされる部分があるよね。
    どうしても立っているスタージが違う気がしてならない。
    ただ異文化に触れることが新鮮なだけかもしれないけど。

    先週、東京に行ってさカラヴァッジョ展見てきたよ。
    カラヴァッジョはすごいんだけど弟子の作品がいまいちだったよ。
    上野の混み方が半端なくて、「カラヴァッジョすげー人気だな!」と思ってたらどうやら伊藤若冲展があったらしいね。
    そのあと神奈川近代文学館に行って漱石没後100年の展示会を見に行こうと思ったのだけど疲れたからやめて東京ドームで日本ハムVSオリックスを見たよ。
    大谷がバックスクリーンにホームラン打ってさ!
    あいつはホントにすごいやつだ。
    10年に1人の逸材だよ。
    10年前は松坂。
    その前が松井秀樹。
    その前が清原かな。

    でもこの話はTwitterでは秘密だぜ。
    知られたくないことってのが人間にはあるんだ・・・。

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    1. ともすけ先生、コメントありがとうございます。

      コルタサル、いいですよ~。「山椒魚」は『遊戯の終わり』(岩波文庫)に入ってましたかね。同じく岩波文庫で『悪魔の涎・追い求める男』、傑作ぞろいなので、どうですか。ジュンク堂も、なければ取り寄せてくれますよ。

      日本文学、悪くないですよ。日本で生活している以上、日本で刊行される書籍は、優れたものもそうでないものも、ほぼすべて手にできますが、海外文学はいろんなフィルターを通り抜けて日本に入ってくるのですよね。海外文学にも箸にも棒にもかからんのはあるでしょうが、そういうのはまず入ってこない。絶対数の違いというのはあるかなと思います。

      それにしても、ウリベ(バスク語)やイスマイル・カダレ(アルバニア語。邦訳はほとんどがフランス語訳からの重訳で、直接訳はいまのところ1冊)のように、翻訳者も少ない言語で書かれた文学が、比較的安価で手に入るというのは、これはすごいことですよね。こんな形で異文化に触れることができるって、恵まれてるなと思います。

      カラヴァッジョ!いいなあいいなあ!しっかし若冲展の混みようはすごかったらしいですね。某呟き処では、それこそ「南部高速道路」(コルタサル 『悪魔の涎・追い求める男』 所収)大喜利が始まってましたよ。というわけで、さらにコルタサル推します。あ、神奈川近代文学館の記事にコメントしましたよー。見てねー。野球もたまにスタジアムで見たくなりますなあ。外野席でビール飲みながら。テレビで見る気はまったくしないのだけど。たぶんテレビ持ってても見ない。

      えっと、秘密にするのはいいけど、ここ、Twitter経由で見てる人、多いっすよ?

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