2015-07-31

日々雑記 2015 Jul. #3

21日(火)

なんかえらく早い時間に目が覚めてしまったが、だからといって特に手の込んだ弁当をつくるつもりはない。
本日の弁当: 白ご飯、梅干、きくらげ(昨日戻しすぎたやつ)とにんじんとねぎ入りたまご焼き甘酢あんかけ、いんげん炒め、にんじんの味噌漬け、たまねぎとわかめのスープ。


休み明けに出勤したら、なんかいろいろしっちゃかめっちゃかになってたんだけど、トリックスターが複数いる職場って波乱万丈すぎて笑えてくる。とかいってる場合ではないのだが。

ま、弁当はうまかったよ。業務関係の後始末は大変だったし、まだ終わってないけど(今日はそいつらが休みだどうしてくれよう)。そしてわたしは明日休みだ同僚がんばれ。わしゃ休むといったら休むのじゃ。ウチで別件の仕事するけど。


22日(水)

朝から雨降りでじめじめしている。うっかりしていて夏の休日の楽しみ、「夏休み子ども科学電話相談」がはじまっているのに気づかず、最初の2時間聴き損ねた。不覚。放送について、この日記に書いていたけど、ちょっと長くなったので記事として独立させた。(→「「それは関係ありません」――本日の「夏休み子ども電話科学相談」 2015/07/22」


23日(木)

去年から、祇園祭の後祭が復活したので、今日は後祭の宵山。明るいうちに仕事が終わった、というかムリクリ終わらせて、散歩がてら明日巡行する山鉾を見に行く。帰り道で急に思い立ったもので、昨年150年ぶりに復活したという大船鉾は、場所がよくわからなくて見ることかなわず。帰宅してネットで後祭山鉾巡行マップつーものを見て、ほかの山からは遠いが、職場からは一番近かったことを知った……来年見に行こう。

おそらくはその著作のうちで一番有名な本を一冊積んである作家の本が、このところ続々と刊行されているのでどうしたものか、と某ビブリオマニア氏に尋ねた ところ、要約すると

① 集める(地道に)
② 集める(一気に)

のふたつの案を提示され、教えを仰ぐ際の人選って大事だなとしみじみ思っている。


24日(金)

ライチを食べて、種を採取。


種まきが好きすぎるの、どうにかしたいし、たぶんするべきだと思う。


26日(日)

今日の買いもの。JAZZりんごとまくわ瓜。


た、種をとろうと思って買ったんじゃないんだからね! JAZZりんごは、まずこの「JAZZ」って名前がいいし、「果肉がしっかりとしていて歯ごたえがあり、甘みが強く酸味もほどよくておいしい」とあるし、なによりわたしの好きな小ささなので買ってみた。わたしは小さくて酸味のきいたりんごが好きなのだ。日本で手に入るものなら紅玉の味が好き。しかし紅玉は肉質が柔らかい。あの味で歯ごたえがあったら最高なのに。それにしても、日本でコックス(Cox's Orange Pippin)をほとんどつくっていないのはなんでだろう。小さくて見ためがよくないからか? あ、なんかついでに思い出したけど、業田良家のマンガ『世直し源さん』で、源さんの自転車の荷台に乗ってた「インドリンゴ」ってのも食べてみたい。まあ、現在はあまりつくられてないようで難しそうだけど。

世直し源さん―ヨシイエ童話 (1) (竹書房文庫)
業田 良家
4812424240


まくわ瓜はなつかしくて買った。子供のころは夏のおやつによく食べた。塩をちょっとふるのがウマイんだなー。あ、以前某呟き処で教えていただいた、塩と粉唐辛子かけて食べるの、やってみようかな。


27日(月)

朝からあっついわけですが、JAZZりんご(うまいよ)をかじりつつ、8時にはパソコン立ち上げてラジオをスタンバイ。もちろん夏休み子ども科学電話相談を聴くのだ。そして記事はこちら(→人生の年輪――本日の「夏休み子ども科学電話相談」 2015/07/27



28日(火)

今朝は家を出るまでしか放送は聴けないのだけど、放送自体が国会中継のため超短縮バージョンの「夏休み子ども科学電話相談」。いきなりいいのが出ました。

藤井アナ「おはようございます」
質問者「はい」
藤井アナ「おはようございますは?」
質問者「おはようございます」
一同(笑)

今日は宇宙先生が永田美絵先生。やさしい語り口で子供に寄り添い、説明上手で宇宙のことをもっと知りたい!と小さいおともだちのみならず、大きいおともだちにも思わせてしまう先生。「宇宙人はほんとうにいるのですか?」という質問に、わたしたち地球人も宇宙人なんだよ、といったあと、

永田先生 「尋ねたいのは、地球以外に人のいる星はあるのかなってことだよね」
質問者 「はい」
永田先生 「生き物にはなにが必要かな?」
質問者 「……からだ?」
永田先生 「そうだね。うん。で、生き物が息をするには、なにが必要かな?」
質問者 「はなとくち」
一同(笑)

この子、徹底して生き物しか見ていないのが味わい深い。出勤前にこれらが聴けてなによりでした。


 29日(水)

仕事帰りに映画を観にいくことだけを楽しみにしていた本日。退勤時刻の少し前から降り出したものすごい土砂降りの雨のなか、折り畳み傘を差して職場から徒歩5分くらいの京都文化博物館に向かいながら、縁日の夜のものすごい土砂降りの雨がポイント・オブ・ノー・リターンであるよ うな映画をこれから見るのだな、とか思ってニヤニヤしていた。足元では雨が降ることなど想定せずに履いてきた靴がじゅっぽじゅっぽと妙な音を鳴らしていた。

山中貞雄監督『人情紙風船』。何度も観ているけど、何度観てもいい。あの夏空、あの雨。ふわふわとたよりなく風にあおられ、水路に落ちて流されていく紙風船。


30日(木)

今日も仕事帰りに文博で映画。萩原遼監督『その前夜』。「原案:山中貞雄『木屋町三條』」とあり、山中の戦病死の三ヵ月後にクランクインしたそうで、「山中貞雄に捧ぐ」という献辞あり。脚本は梶原金八(山中が一枚かんでた脚本家ユニットの名)。「原案」はどのくらい形になってたんだろう。


31日(金)

朝、ベランダの衆に水やってて、バジルの根元に真っ黄色のきのこ生えてるのを見つけた。


コガネキヌカラカサタケ。食えないことはないけど、うまくないとか。

休日の午前いっぱいのお楽しみ。(→「コソコソコソコソ――本日の「夏休み子ども科学電話相談」 2015/07/31」)今日もすごかった。

夜、鼻血が出た。暑いからか。そういえばまだ扇風機出してなかった。てなわけで鼻にティッシュをねじ込んで扇風機を組み立てた。マヌケな姿だな。自分で自分の顔が見えなくてよかったと、こういうときに思う。

コソコソコソコソ――本日の「夏休み子ども科学電話相談」 2015/07/31

今日も猛暑日、朝ベランダの皆さんに水や肥料をやっていて、バジルの根元に真っ黄色のきのこが生えているのをみつけて気が動転した麩之介です。皆さまいかがお過ごしですか。なんか生えてやしませんか。


コガネキヌカラカサタケですね。

さて、本日は休日なので、水やりを終えるとパソコン前待機。もちろん例のアレです。ここのところ、国会中継で短縮バージョン続きだったけれども、本日はフルバージョンということで、うれしいかぎり。しかし植物たちには液肥を与えたというのに、自分にはエサを与えていないことに気づいたわたしが台所に行ってロールパンを網で焼き、コーヒーを淹れている間に番組がはじまってしまい、冒頭の先生方紹介を聞きのがしてしまったのは痛かった。


本日の先生方:

植物: 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 高橋 亘 先生
昆虫: 足立区生物園 昆虫飼育担当 清水 聡司 先生
魚:   横須賀市自然・人文博物館 元館長 林 公義 先生
宇宙: かわさき宙と緑の科学館 プラネタリウム解説員 国司 眞 先生

進行は藤井 彩子 アナウンサー。


では、本日の瞬殺。

質問者 「冥王星の南極がどちらかなんでわかるのですか」
国司先生 「『こっちが南』って決めちゃったから

……そ、そうか。


恒例の置き去り案件。

質問 「たまねぎを切ると、どうして涙が出るのですか?」

先生、はじめは「涙が止まらなくなっちゃったんですね。先生もチャーハンをつくるときになりました」からスタートしたのはよかったけど、説明をはじめるとヒートアップ。

高橋先生 「たまねぎを切ると、たまねぎの細胞の中で袋が壊れてプレンクソというアミノ酸とアリイナーゼという酵素が反応して、プロペニルスルフェン酸ができます。それからさらにふたつのものができるんだけど、ひとつは涙を出させる催涙因子、もうひとつは香りのチオスルフィン酸」
質問者 「……はい」

専門用語で怒涛の連打に質問者フラフラ。高橋先生、たいしたハードパンチャーである。とどめの一撃は、

「これ分かったところで何の役にもたたないと思うんだけどね」

質問者もだろうが、わたしが再起不能になりそうだった(笑いで)。そのあとは、どうしたら涙が出なくなるかの豆知識にシフト。タコ殴りの後はお役立ち情報を提供してクールダウン。

① 冷やすか水に漬ける(催涙因子が働かない)
② 温める(酵素を不活性化する)
③ よく切れる包丁を使う(組織を壊しにくくする)

とよいそうです。


今回たまたまふたつ続いた質問に、答え方のスタイルの違いがでていたのが面白かった。

1. 質問者に寄り添いながら、やんわりと軌道修正タイプ

質問 「月にうさぎはいますか?」(小1女子)

藤井アナ 「小1女子ちゃんは、月にうさぎさん、いると思う?」
質問者 「望遠鏡で見たとき、白いのがあったから、いると思う」

この子、ちゃんと自分で観察した結果、いると結論付けたんだな。さて、国司先生、どう出る?

国司先生 「おじさんもねえ、小さいころ、うさぎさんがいるっていわれて、小学校に上がったら頑張って望遠鏡作って見てみたんだよ」

なんと先生は望遠鏡を作るところからはじめなさった。そっからかい!ってコレ驚きだけど、まあそれはおいとくとして。

国司先生 「小1女子ちゃんは、白いのが見えたから、うさぎさんいるって思ったのね。おじさんはね、黒いところがうさぎさんに見えたの。うさぎさんに見える模様は肉眼でも見えるから、観察してみてね」

と、月には黒いところと白いところがあるということに、なめらかにつなげる先生。そして、「黒いところは地面が平らなところ、白いところはでこぼこしているところ。白くてまるいのは、大きな穴で、それはクレーターという」 「40年くらい昔に、月にアポロ宇宙船が飛んでいって調べたら、月には空気も水もないってわかった」と説明して、最後に

「うさぎさんが住むのは難しいかなー」

「いません」と断言するのではなく、質問者が納得できるようにもっていく言葉を選ぶ、先生の優しさが素晴らしいな。質問者、さいごに「くにしせんせい、ありがとうございました」ってどうしようめっさかわいいやないか!(大きいおともだちメロメロ案件)


2. 「違うもんは違うんじゃ」 いきなりカウンターパンチくらわすタイプ

質問 「 どうして木の年輪は幅の広いほうが南で狭いほうが北なんですか?」(小2男子)

藤井アナ 「小2男子くんは、それ、どうやって知ったの?」
質問者 「本で読みましたっっ!!」(めっちゃ元気)
藤井アナ 「じゃあ、先生に聞いてみましょう。高橋先生、お願いします」
高橋先生 「小2男子くん、こんにちは」
質問者 「こんにちはっっ!!」(めっちゃ元気)
高橋先生 「これはねえ、残念ながらそうはなっていないんだよね
質問者 「ほぁ~……」(しぼんだ)

先生、いきなりハードパンチで迎え撃つ。どうしてかがききたかったのに、前提からして間違っていることを明かされ、意気消沈しちゃった小2男子。(大きいおともだちはこういうのも大好物)

それでも基本的に元気な小2男子、先生の「山の斜面などで木が傾くと、木はその傾きを直そうとする。針葉樹は斜面の下側から押し上げてまっすぐにしようとするので、低い方にある年輪の幅が広くなる。広葉樹は逆に、斜面の上側から引っ張りあげようとするので、高い方にある年輪の幅が広くなる」という説明を聞いているうちに回復してきて、最後の「山で迷っても、年輪見て帰ろうとしないでね」という言葉に、「はいっっ!!」(めっちゃ元気) よいお子だ。


まあね、聴いてるほうは、どっちのタイプの答え方も、楽しいのでよし。


さて、本日の忘れがたい質疑応答は、これも連続したふたつの質問だった。

質問 「カブトムシやクワガタムシを強くするにはどうすればいいですか?」(小1男子)

藤井アナ 「長生きする、ということじゃなくて、けんかに強くするってこと?」
質問者 「そう」
清水先生 「たたかわせんの?」
質問者 「……」

「強いということは、長生きにもつながりますが」と話をはじめた清水先生、幼虫のときによいエサをあげて、体を大きくすること。成虫になったら大きくすることはできない。あとは、おなかがすいたら力がでないから、エサをしっかりあげて、と実践的アドバイス。

清水先生 「オスとメスは一緒にしてるの?」
質問者 「はい」
清水先生 「いっしょにしとくと、 女の子の相手するのに体力使っちゃうから、たたかわせようて思うんやったら別にしといたほうがいい」

「女の子の相手するのに」って言葉遣いにシビレました。

それと、ケンカに強くするには、ちょっと弱い相手とたたかわせて、自信をつけさせる。

「負け続けたら、オレはだめだー、って引っ込み思案になんねやんか」

しかしこの後、「たたかわせんの?」ときかれた質問者が黙ってしまった理由が明らかに。

清水先生 「なんでカブトムシ強くしたいの?」
質問者 「1匹だけいじめられてるから、強くしてあげたい」

なんという優しいお子だ……泣いちまったぜチキショー! 先生、理由を知って答えの方向性を変える。

清水先生 「そっか、それは分けてあげないとね。もう勝ち負けの関係ができてしまってるから。でもね、弱いヤツには弱いヤツなりの生き方があってね」

おお、来るか英知の言葉!?

清水先生 「そういうヤツは強いヤツの影に隠れてコソコソコソコソ生きていくねやんか」

……うん、そういう生き方ね。そうだね虫だもんね。一瞬プライドを守る方法を見出せるかもと期待した負け犬男子がバタバタバタと倒れてあたり一面焼け野原ってのが目に浮かんだっていうかわたしが倒れました少しそっとしておいてください。

清水先生 「あとまあ、卵がとりたいなら、弱いヤツとメスを、お情けで一緒にしてやるのもいいかなと思います」

お情けってせんせい……つ、次の質問です。


質問 「お父さんがアニサキスにあたっておなかが痛くなりましたが、魚は痛くないのですか?」(小1女子)

藤井アナ 「お父さんアニサキスにあたったの!? お父さんたいへんだったね、いつ痛くなったの?」
質問者 「きのう! ウフフフフ」
わたし (おいおい、笑ろてるで)
林先生 「お父さんたいへんだったねー」
質問者 「ウフフフフ」
わたし (笑ろてるし)

以下、林先生の説明。アニサキスは寄生虫。寄生虫は、寄生された動物=宿主にはあまり傷をつけないので、宿主が痛みを感じることはあまりない。最終宿主であるイルカやクジラの腸内には、それこそ何十万匹というアニサキスがいる。その卵は、フンに混じって外に出て、それをプランクトンやカニが食べ、それをさらにアジやサバ、イカなどが食べる。人間がそれを食べると、体の中に入られてしまうけど、人間はアニサキスの宿主ではない。それで、

林先生「アニサキスは人間の体の中では栄養が取れなくて、困ったなーって、おなかをくいやぶってなんとか出ようとするの。そのときにすごく痛くなるの」

不肖わたくし、一度アニー経験しましたが、あれはホンマ、シャレになりません……

林先生 「お魚は長時間冷凍するか、加熱するか、あまり生食しないこと。アジ、サバ、イカは気をつけて、ってお父さんに教えてあげてね」

質問者 「あのねー、お父さんねー、アニサキスねー、三回目なのー!!ウフフフフフ」

スタジオ大爆笑。 色めき立つTL!そら小1女子もウフフて笑うわ。質問者よりもお父さんが要学習の巻。あー今日も楽しかった!

2015-07-27

人生の年輪――本日の「夏休み子ども科学電話相談」 2015/07/27

月曜日。わたしの避暑地(ミュージアム・図書館等)は軒並み休館、行き場のない麩之介です。本日も朝からあっついわけですが、皆さま、ご無事にお過ごしですか。塩と水は忘れずに。

本日も暑いなか8時にはパソコン立ち上げてラジオをスタンバイ。もちろん夏休み子ども科学電話相談を聴くのだ。

本日の先生方:

昆虫: 足立区生物園 昆虫飼育担当 清水 聡司 先生
植物: 恵泉女子学園大学 教授 藤田 智 先生
科学: 法政大学 教授 藤田 貢崇 先生
いのち:  JT生命研究館 館長 中村 桂子 先生

そして進行は藤井 彩子 アナウンサー。

今回も楽しかった。まずはじめの先生方の紹介時から波乱含み。植物の(といっておかないと、今回はフジタ先生ふたり、サトシ先生ふたりという、名前がかぶりまくりの回)藤田先生の自己紹介コメント。

藤田先生 「最近食べたスイカがものすっごくおいしかったんです」
藤井アナ 「ご自分でつくられたスイカですか」
藤田先生 「いえ、他人がつくったスイカです」
藤井アナまさか他人のスイカとは思いませんでした

わたしもまさかそうくるとは思いませんでした。これにはじまり、今日はこの番組の醍醐味のひとつである、コミュニケーション・ブレイクダウンが頻発。


「コンテキストはどうした」編

つよしくん 「コバネイナゴはなんで佃煮にして食べられるんですか」
藤井アナ 「つよしくんは食べたことあるの?」
つよしくん 「なにを?」


「謎展開に戸惑う先生」編

清水先生 「アリジゴク知ってる?」
たかよしくん 「カブトムシ」
清水先生 「えーと、ちょっとこの話は置いとこか」


「ほんとうにどうして」編

あまねちゃん 「どうして食べ物は腐るのですか」
藤井アナ 「腐るの、見たことあるの?」 
あまねちゃん 「ないです」 
藤井アナ 「じゃあどうして不思議に思ったの?」
あまねちゃん 「わからない」


「媚びないのがオレのスタイル」編

中村先生 「DNAだけじゃなくて、環境でも人は変わります。まさたかくんも、ずっと同じじゃなくて、どんどん変わっていくの。いろんなことするでしょ?お勉強も、スポーツも」
まさたかくん 「スポーツはしません」


「無茶振りにもほどがある」編

かれんちゃん 「地球はどうしてうまれたんですか」
わたし (あれ、今日宇宙先生も地球先生もいないよ?)
藤井アナ 「では中村桂子先生、お願いします」
わたし (えっ、科学先生じゃなくて、いのち先生に聞くの!?)
中村先生 「わたし、生命の専門家で星の専門家じゃないのよ~でもそんなの大人の勝手な都合よね」
わたし (先生……がんばれ先生)

「うまれる」というキーワードひとつで話題を振られた中村先生、答えるうちにどんどん質問者の尋ねたかったであろうことから離れていったけど、これは仕方ないです。お疲れ様でした……


それでは、本日の忘れがたい質疑応答にうつります。

質問 「木の年輪はどうやってできるのですか?」

藤田先生(植物の) 「日本のように四季がはっきりしているところでは、年輪ができる。春から夏にかけては、木が大きく育つので、大きな細胞が増えて白っぽい色に、夏から秋にかけては小さい細胞が増えるので茶色っぽい色になり、冬は休眠するので黒っぽくなって、また春に白っぽい細胞が増える。こうやって1年にひとつ輪っかが増える」

ふむふむ。そのあと、「だから、年輪を見ると、その人の年齢がわかります」っていっちゃった藤田先生、植物好きすぎて木を人間扱い。そしてさらに先生の快進撃は続く!

「人生の年輪ってわかります?」

ときた! じんせいの!年輪!

「あなたもこれから人生の年輪をつけていく、そういうことも考えていってください」

木の年輪の質問をしたら、唐突にこれからの人間的成長をも示唆されるというゴージャスな展開。


もうひとつ植物の藤田先生暴走編。

質問 「桃をむくと、茶色くなるのはなぜですか? 桃の汁が洋服につくととれないのはなぜですか?」

藤田先生 「桃をむいたり切ったりすると、桃に含まれるポリフェノールとポリフェノール酸化酵素が酸素に触れてそれで茶色く」
質問者 「はあ……」

恒例の置き去り! さて、この後は全国のお母さん待望の「桃の汁のシミ」問題。

藤田先生 「どんな服を着て桃を食べますか」
質問者 「え……普通の、学校に着ていくような」
藤田先生 「それはもったいない! 先生はね、作業服とか、出来るだけボロい服に着替えて桃を食べます」

桃を食べるために、服装をあらためるというスタイル! そして爆弾投下!

藤田先生 「服についた桃の汁のシミはね……これは……商品名なんでいっていいんですかね……ワイドハイターってやつを使うとうまく取れるんですよ、ハハハ。ワイドハイターに1~2時間漬けてから洗うと落ちます!」

一瞬気をつかいながらもいっちゃった! そして商品名連呼! 藤田先生が腹をくくった瞬間聴いた!

本日の英知の言葉: 「桃はボロい服を着て食べろ。シミがついたら、ワイドハイターで落とせ!」


藤田先生もすごいが、今日の司会の藤井アナも逸材。「タオルをお風呂につけると色が変わるのはなんでですか?」という4歳児の質問に、科学の藤田先生、いきなり「乱反射」という言葉を出してしまった。相手は4歳児。先生、「物の表面がざらざらしていると色は薄く、つるつるしていると濃く見える」といいかえたけど、「薄い / 濃い」もよくわかっていない様子で、説明しようとすればするほど深みにはまっていく展開……ああ、この子ぜったいわかってない、と聞いてる人間ほぼ全員思ってる状況下でのしめくくり、

藤井アナ 「わかったかな?」
4歳児 「はい」
藤井アナ ほんと?

アカンwwwww死ぬwwwwww

笑わせる(つもりかどうかは知らんが)だけではなくて、フォロー力がすごい。「アサガオの花は、咲いてるときは青いのに、しぼむと紫色になるのはなぜですか?」という質問に、藤田先生、「アサガオの花を水の中で搾って色水をつくり、そこにお酢(酸性)をたらすと赤くなり、炭酸ソーダ(アルカリ性)を入れると青くなる」という実験を紹介(「やってみて」といったら「いまは咲いてません」ていわれちゃった)、「アサガオは花が咲いたときはアルカリ性で、花が役目を終えると酸性になる」という説明をしたけど、質問者にはちょっと伝わっていないのを見て取って、藤井アナが「アサガオは元気なときは青で、元気がなくなると紫になる」という表現に変えて説明してあげたの、すごいと思った。まあ、仕組みをすっとばしてしまってるけど。


個人的に、今日いちばんいいなと思ったのは、これでした。

質問  「20cmくらいのオニヤンマを見つけましたが、地球温暖化と関係ありますか?」

「それどうしたの? 大きさをものさしで測った?」と尋ねる清水先生に、「高いところにいたので見ただけ」と答える質問者。先生は「昆虫の体が大きくなる要因は、エサが豊富で良質であること。温度に関しては、成長に適した温度があるから、温度が高ければ体が大きくなるというわけではない。また、ひとつの例からすぐに地球温暖化と結びつけることはできないから、関係はあるともないともいうことはできない」 と回答、そして、

「なんか大きいなー、と思ったら、捕まえて、かならずデータをとってください。かわいそうっていわれるけど、先生がやってるような、標本をつくることは、それで証拠を残すことなんです」

科学的なアプローチの指導をきっちりする清水先生、すばらしい。ああ、今日も面白かった。

2015-07-22

それは関係ありません――本日の「夏休み子ども科学電話相談」 2015/07/22

今年もはじまりました、NHKラジオ第1放送の「夏休み子ども科学電話相談」。わたしがこの時期、平日が休みならばかかさず聴いているこの番組は、その分野の超一流の先生方が、子供たちの素朴だったり奇想天外だったりする質問に、ときに振り回され、ときに知識が暴走して子供を置き去りにしつつ、真っ向勝負で臨むスリル満点の番組だ。これに勝る夏の娯楽なし(断言)。
ということで、本日の放送の私的ハイライトを。とはいえ、うっかりしていてはじめの2時間を聴きのがしてしまった。不覚。ともかく、聴いたところからはじめましょう。
(子供たち、先生たちの発言は、そのとき取っていたメモ及び記憶を元に要約・再構成したものであり、放送そのままの採録ではないことをお断り申し上げます)


質問 「星の中で、金星が特によく光るのはなぜですか?」

本日の宇宙先生は、国立天文台副台長の渡部 潤一先生。

渡部先生はまず「金星が地球に近いから。たとえば同じ明るさでも、近いほうがより明るく感じられる。それと大きさ。火星も地球に近いけど、小さいから金星ほど明るくならない」と説明して、

渡部先生 「惑星知ってる?」
質問者 「すいきんちかもくどてんかいめい」
渡部先生 「よく知ってるね。……最後の冥王星は、先生が惑星じゃなくしちゃったんだけど(笑)

渡部先生は「惑星の定義委員会」委員として、冥王星の惑星からの除外を決定したメンバーのひとりなのだ。三つめの理由は、「金星は反射率の高い白い雲で覆われていて、太陽の光をよく反射するから」。ちなみにこの雲は硫酸で、金星には硫酸の雨が降っているとか。「そこまで行ったら、人間の体は溶けちゃいます」だそうです。


質問  「芝生に花が咲くのを見たことがないけど、どうやって増えるんですか?」

本日の植物先生は、甲南大学教授 田中 修先生。

「芝生にも花は咲くんです。でも芝刈りで蕾が刈られてしまうので、咲くまでいかないの。それと、芝生はイネ科の植物で、お米と近い種類。お米の花て見たことある? お米や芝生の花は、虫をアテにしてないの。花粉は風に運んでもらう。きれいな花びらで虫に目立つようにする必要がないから、花びらがなくて、地味な花。たとえ咲いていても、観察されることは少ないのね」

と説明、そのあと

「花が咲かないと種ができないのに、じゃあどうやって増えるのか、いうたら、芝生は地下茎という地面の下に這うように伸びる茎で増えます。地下茎。『地下茎』て覚えといて~」

出た! 田中先生の「覚えといて~」! おさなごを相手に容赦なく専門用語リピートアフターミー! これを楽しみにしている人は少なくないはずだ! 例: 「連作障害ていうてみて~」
田中先生のおかげで、わたくし「ジベレリン」と「モモルデシン」は一生忘れません。この番組をたのしく聴いている大きいおともだちはみんなそうだと思います。

「地下茎で増える植物は、いったん生えたら取り除くのがやっかい。もし花咲かせて種が飛び散って、お隣の家に芝が生えたらたいへん。怒ってきはる人もいるよ。花咲かさんといてくださいいうて」

さすが田中先生、ご近所トラブルに発展する可能性にまで言及。後ろのほうではほかの先生方の笑い声が。


質問 「 セミの幼虫が土の中にいる間に、地面がコンクリートで固められたらどうなりますか?」

本日の昆虫先生は足立区生物園 昆虫飼育担当 清水 聡司先生。

しゅんたくん 「セミの幼虫が7年土の中にいるあいだにコンクリートはったりおうちが建ったりしたらどうなっちゃうんですか」
清水先生 「ズバリそのまま死んじゃいますね

ああ無情、というか無常……答えをきいてしょんぼりしてしまったしゅんたくん、優しいええ子や。ズバリとホントのことを答えたけど、それまでにやっぱり少し躊躇いの色が見えた清水先生も、優しい。

清水先生 「ぜんぶコンクリートで覆っちゃった? どっかに木と土は残ってない?」
しゅんたくん 「あ、柿の木が一本残ってる!」

しゅんたくん! よかったな、しゅんたくん! セミ、きっと生きてるよ!


とまあ、いろいろ盛りだくさんなわけですが、本日の最高峰、それは間違いなく田中先生。

質問 「蓮の葉っぱの上で水滴が転がるのはなぜですか?」

しずかちゃん 「蓮の葉っぱの上の水が丸くなってころころするのはなぜですか?」
田中先生「蓮の葉っぱの上に水が転がるから、つるつるしてるように思えるけど、あれつるつると違うんです。実はあれ、ざらざらしてるんです。葉っぱの表面に小さいつぶつぶがいっぱいあって、それで葉っぱに水がくっつかなくなってるの」

ふむふむ。あの「目玉焼きが滑るフライパン」 みたいなもんか。と、ここまではよかった。しかしおたのしみはこれからなのさ!

田中先生 「蓮は英語で『ロータス』っていってね、このくっつかなくなることを、『ロータス効果』っていいます。『ロータス効果』って覚えといて~、『ロータス効果』。 あのね、ご飯がこびりつかないしゃもじってあるでしょ? あのこびりつかないしゃもじは、表面につぶつぶがあるのね」


お、それがその!?と思わせておいて、

田中先生 「それはロータス効果とは関係ありません」

って先生!!先生!! 後ろでほかの先生方大爆笑。

田中先生 「そのつぶつぶの表面に、さらに小さいつぶつぶがあって、それがロータス効果を応用してるの」

おお! これは見事。「関係ないんかーい!」とツッコませる方向に持っていって、スッと核心に触れる。これで絶対忘れない。先生ご自身がどこまでその効果を狙っておられるかはまったくの未知数であるが、それでもわたしは「ロータス効果」を完璧に覚えた。もうたぶん一生忘れない。最終的に「そうなんですか」としかいわなくなったしずかちゃんが覚えたかどうかは知らんが。そして覚えてどうなるのかも知らんが。

だがそのあとも田中先生は止まることなく走り続ける!

田中先生 「ヨーグルトのふたね、あれも昔はふた開けたらヨーグルトがべたーとくっついてたもんやけど、最近はふたにつかなくなってるの。それも、ロータス効果を応用した技術で」

先生! しずかちゃんが置いてきぼりになってます!


そして、わたしは聴きのがしたのだけど、たぶん本日の放送で一番話題を提供したであろう質問を、某呟き処のハッシュタグをさかのぼってて見つけた。

質問 「ねこに話しかけると、ねこにはニャーって聞こえるんですか?」

ああ、ほんとうにいい質問だなあ。理系は知らんが文系ではさまざまな分野で考えがいのある質問だぞコレ。聴きたかったなあ! 先生(本日の動物先生は、旭山動物園 前園長 小菅 正夫先生)の第一声は、

「おじさんそんなこと考えたことない」

だったそうで。そのあと「人によってねこの声がどう聞こえるかは違うし、言語によってねこの鳴き声の表現は違う。ねこはとても耳がいい。ねこのほうでも、人間のことばをねこなりに聞き分けているのではないか」、しかしねこに実際どう聞こえているのかは、「誰にもわからない」。知ることが不可能なことについて憶測で答えたりしない姿勢、これ当たり前のことなんだけど、素晴らしい。ほんとうに。

2015-07-20

日々雑記 2015 Jul. #2

11日(土)

炸花枝丸食べたい。よく行ってた台湾料理屋さんが閉店してしまってから、うまい炸花枝丸食べてない。ああ炸花枝丸。なんて読むのか知らんけど。

↑ などと某呟き処で呟いたら、読み方を教えてくださる方が現われた! ありがたいことだ。「ヂャーホヮジーワン」というのだそうな。忘れないように、何度か口の中で呟いた。「ヂャーホヮジーワン、ヂャーホヮジーワン……」 いつか颯爽とこういって注文したいものだ。もう好きだったお店はないけど、いつか台湾のどこかで。


12日(日)

【我が家におけるロシア年2015】
 今日は仕事帰りにスズキのあら、というか、切り身にできない端っことかカマの部分を買ってきたので、ロシアの魚スープ「ウハー」をつくっている。我が家におけるロシア年だからな。



ヒラメのあらも使おうかと思って買ったのだけど、こちらのほうにはパックの底に、皮がいっぱい入ってたので、これはやっぱり煮こごりでしょ、と酒・醤油・みりんで煮込む。


熱々ごはんに乗っけて食べるのが楽しみ。


13日(月)

暑い。熱風が吹いているのですが。なんなんですかこれは。あまりの暑さに、昼は今年初めての冷やしそうめんですよ。


ヒラメの煮こごりは、こいつに乗せたら最高だろうに、昨夜冷蔵庫に入れ忘れてて、こごってなかったですよ。

そして夜は熱々のウハーを食べて、ぬるめの風呂に直行ですよ。我が家におけるロシア年2015ですよ。誰も覚えてないだろうけど。


ウハーなのに、ディルを入れ忘れてますよ。まあ細かいことは気にしますまいよ。しかしスズキのウハー、うめえ。


14日(火)

のっけ弁のとき、ためしにステンレスのキムチ保存容器(700cc)を使ってみたら、さすが汁漏れ一切なし。(飯とおかずを分ける弁当のときは、いままでどおり、長年愛用のアルミのドカ弁使ってます)
本日の弁当: 麦飯、焼き鮭、薄揚げの甘煮、きのこクミン炒め、キャベツの塩昆布和え、野菜味噌漬け(きゅうり、大根、みょうが)、じゃがいもと玉ねぎのスープ。


野菜の味噌漬け、重宝してる。ジップロックに味噌と味醂、もしくは酒粕を入れて、袋の上からもんで混ぜ、お好みの野菜を漬け込むだけ。生で食べられる野菜はそのまま、ごぼうやれんこんなどは茹でて漬ける。野菜の水気が出てゆるんだ味噌は、味噌炒めのタレにしたり、味噌汁に使うといい。

東京土産だといって「富山湾の宝石 しろえびの 優雅な味わい」と書かれたものをくださる方が友人で、いろいろ楽しい。


友人 「これ、お土産」
わたし 「ああ、ありがとう」
友人 「東京の」
わたし 「えっ」
友人 「時間なくてペリーカレー買えへんかって」
わたし 「ちょっと待って」
友人 「なに」
わたし 「富山湾の宝石は東京土産にしては荒唐無稽すぎるんで不問に付すけど、ペリーカレーてなに」
友人 「浦賀に行ってん」
わたし 「ああ……いや、えっ!?」
友人 「なんもないで、浦賀」
わたし 「いや、浦賀は東京ちゃうやろ」
友人 「まあええやん」
わたし 「なにが!ていうかペリーカレーが気になりすぎるわ!」

土産をもらった帰り道、とある食料雑貨店で買い物をした。会計時、レジのお嬢さんから「レモンお好きなんですか?」と尋ねられて、あらためてカゴに入れた商品を見たらこういう状態で。


そら尋ねられるわな。笑顔がとても素敵なお嬢さんに、こちらも負けじと自分史上最高レベルの爽やかな笑顔を浮かべながら(酷暑のなか、そこだけには5月の風が吹いていたはずだ)も、「ハイ、好きなんで、ほっといたらこういうことになります」と、間抜けなお答えを申し上げてしまった……


16日(木)

午後から本格的な雨。台風が近づいている。風雨のなかの宵山、すれちがった中学生女子らしき集団のうちのひとりは、ゆかたの着付けが着くずすとかそういうレベルではなく、寝起きの旅館の寝巻きみたいだったんだけど(前からスパッツみたいなの見えてた)……風で乱れたわけではあるまいが……
帰宅して、小さい鉢植えたちは下に下ろしてかためて、風で飛んだり倒れたりしないように互助会結成。アボ子(1さい)はどうするかな。横倒しにしといたほうがいいのかな。いや、部屋に取り込んどけばいいか。


17日(金)

今日は滋賀県で仕事。台風の影響でダイヤが乱れているのは覚悟して、通常より30分早く家を出た。最寄の駅は普通しか停まらず、本数は30分に1本、まあ前の電車が多少遅れていても、それに乗れればOKだし。そう思った。甘かった。悪天候に加えて米原駅の信号トラブルのため、遅れどころか運転取りやめ、行き先変更など、もうダイヤが乱れるわ乱れるわ、跡形もなくなるレベルであらゆる処置がなされており、わたしが駅に着いた時点で、目的地に行ける電車が来るのは、1時間20分後であった。しかもそれは本来ならば、その時刻の1時間前に発車する電車だったりして。仕方ないので、ともかく目的地のひと駅手前まで行く電車に乗車して、そこから先は着いてから考えることにした。しかしなんにでも乗ってみるものである。途中の駅で、目的地へ行ける先発の電車に乗り換えることができ、おかげさまで遅刻は免れたのだった。いつもの時間に現場に着いたら、「よう来れましたね」といわれ。「帰れますかね」ともいわれ。「どーっすかねー」と笑う。笑うしかない。
昼過ぎに仕事を終え、駅に着くと、電車が来るのは30分後の予定で、それも遅れる可能性があるとの駅員さんの説明。それなら駅から徒歩5分のスーパーで買い物しようか。てことで、琵琶湖産の魚の惣菜などを買い、ころあいを見て駅へ向かう。


こういうの買いました。

帰り、まだまだ風雨の強いなか、駅のホームで大幅に遅れている電車を待っていたのだけど、風がきつかったので本を読むことはあきらめて、少し離れたところに立っておられる和服姿のおばさまの、スプレーでかためた庇状の前髪がどのくらいの強風まで耐えられるのかを観察していた。ちなみに観察している間、それは微動だにしなかったことをご報告申し上げます。そしてやっとこさ到着した電車には人間がぎっしりでしたよ……

ウチに帰ってアボ子を外に出し、互助会を解散させ、昼飯にはコンビニおにぎり(たらこ、昆布、梅)食べて、午後はダラける。

晩酌: なすの青唐味噌炒め、鮎のてんぷら(びわこ産)、キリンラガー。


うめえ。


18日(土)

昨日は昼からものすごい雨で、明け方まですごかった。こうなると「鴨川にオオサンショウウオが何匹流れてくるか予想」をはじめてしまうわけだが、最近流れてくる率が高いような気がする。昔はそんなに流れてこなかったように思うのだけど。うっかりさんが増えてるのか?

本日ののっけ弁: 白飯、焼き鮭生姜酢びたし、なすの青唐味噌炒め(昨日の残り)、キャベツとにんじんのレンジ蒸し、きゅうりの味噌漬け、なすの味噌汁。 なすがかぶっているけど気にしない。


焼き鮭の生姜酢びたしは、思いつきでつくってみたけど、コレいける。魚を素焼きにして、熱々のところを醤油と酒と味醂のタレに漬け込む「焼きびたし」はよくつくるけど、酢に漬けるのは考えたことなかった。昨日の鮎のてんぷらの残ったのを南蛮漬けにしているときに思いついて、塩鮭の焼いたのを、すりおろし生姜を入れた酢に漬け込んでみた。さっぱりしてたいへんよろしい。甘酢でもいいと思う。

帰り道で、わたしに向かってまっすぐ歩いてくる人がいて、道でもきかれるのかと思ったら、ものすごく近い位置でこちらの目を見すえながら「いまテーマパークをつくれるのは公〇党だけですキチ〇イにはつくれませーん」と早口でおっしゃったので、スタコラ逃げる。びっくりした。

帰宅後しばらくして「探せども探せども洗濯物の山から見つかるのは靴下の片方ばかりの刑」という電波を受信したので、部屋の一角を占拠していた、取り込んだなりほったらかしにしていた洗濯物の山を片づけた。部屋が広い。


19日(日)

本日の弁当はコロッケ弁当。


 白飯にキャベツをしいて、スーパーで買ったいもコロッケのっけてソースどぼどぼ、にんじんの味噌漬けを添えて、汁物はキャベツとわかめの味噌汁。たまにこういうの食べたくなる。決して手抜きではない、とはいわない。

帰宅して、ニガウリ1号を収穫。


ウチの可愛い子だから、ワタもタネも全部食べる。ワタはたまご焼きに混ぜ、タネは一日太陽に当ててから、煎って食べる。

そして本日の晩酌: 一昨日食べ切れなかったびわこ産鮎のてんぷらを南蛮漬けにしたの、ベランダ産ニガウリ1号のおひたし、シルクヱビス。


ニガウリ1号、うまいよ! ありがとう! 明日は2号の収穫だ。


20日(月)

朝、ニガウリ2号を収穫して、ベランダの皆さんに液肥をやる。

受粉の助っ人登場。


ヤマトシジミ。今日は雌花咲いてないけど、毎日いらっしゃい。

昼飯: みょうがご飯、紅白なます、いんげん胡麻和え、味噌汁(たまねぎとわかめ)。


みょうがご飯は炊き込んだのもうまいけど、暑い日の昼飯には、混ぜご飯がいい。ふつうに炊いたご飯に、フライパンでパリッとするまでからいりして醤油をからめた薄揚げと、小口から薄く刻んで水にさらしたみょうが、いりごまを混ぜるだけ。さっぱりしてよろしい。
紅白なますは、当初ツナサラダにするつもりだったが、ツナ缶が発見できず、急遽こうなった。

午後、ニガウリ1号2号のタネを天日干し。


しておいて、きくらげを水に漬けておいて、外出。京都文化博物館に映画を観に。今日は衣笠貞之助監督の『或る夜の殿様』。展開は読めるけど、それはたいして気にならない、ほのぼのした喜劇。名優がズラリ。配役も安定、というかまあ、高峰秀子はひたすら可愛いく、進藤英太郎はひたすらガメツく、と出てきた時点でどんな人物か想像つくという。志村喬、飯田蝶子、吉川満子はもう、出てきただけでなんか安心するね。

そしてなんと、文博はただいま常設展無料! 東寺百合文書(「ゆりぶんしょ」じゃないよ)も、横山大観も、映画も無料なのよ奥さん! なんだか知らないけど京都市太っ腹! 8月30日までは無料なのよ! ただし特別展は有料よ! そこ間違えちゃダメよ奥さん!

大満足で帰宅したわたしを待っていたのは、戻す量を間違えたきくらげ。


思わず「 ♪きくらげーを戻すとーき~ 見積もりー誤りー毎度毎度~ 途方にー暮れてるー俺なのさ~」って歌ったわよ奥さん! この半分の量でよかったのよ奥さん! まったく、いいかげん覚えろっての。

というわけで、本日の晩酌: きくらげとにんじん入りの炒り豆腐、びわこ産鮎の南蛮漬け、ヱビス。


てなわけで、明日の弁当にはきくらげが入ることが決定したのよ奥さん!

2015-07-10

日々雑記 2015 Jul. #1

1日(水)

今朝も熱が下がらないので仕事を休んで、電波時計を見てた(うるう秒をだね)。しかし8時59分60秒は見逃した(のか、時計が対応してなかったのか定かではないが)。
梅干と生姜を煮出したものを飲む。ニオイはまったくわからないけど、鹹・酸の味と、生姜のピリっとした刺激は感じる。

昼、食欲ないけどカロリー摂取のためにロイヤルミルクティーを飲む。せっかくちゃんとつくったのに、香りがわからず、白湯を飲んでるのと変わらんのでつらい。

生姜の刺激は感じられるということで、このあいだつくったジンジャーシロップを湯で割って飲む。やはり香りはわからないので、ピリピリする薄甘い湯を飲んでいるだけ。味気ないことおびただしい。

熱が少し下がってきたので、夕方に風呂。極楽。

夜、記事を上げる。3年前に書いたものだけど、熱を出す度にその思い出がよみがえる、忘れえぬあの人のことを、わたしは今回もやはり思い出していたのだ。

【Archives】 風邪っぴき三部作 第一部 「風邪っぴき日記」

食料の備蓄が心もとなくなってきたというわけでは別になく、ウチにあるものだけ食べていると飽きるという理由で、一番近いコンビニへふらふら出かけて、スポーツドリンクとかプリンとかいろいろ買い込んで帰る。ところで、フルーツゼリーも買おうと思ったんだけど、なんでほとんどのゼリーにナタデココが入ってるんだ! 流行ってるのか!? 風邪ひいてるときそういうのはい らないんだよ! つるっとしてりゃいいんだよ! シコシコ食感必要なし! で、やっと見つけたみかんゼリーと白桃ゼリー(ナタデココ不使用)を買っ たのだった。

帰宅して、ヤマザキのランチパック「5種の夏野菜カレー」を食べる。…… カレーの匂いがまったくしない! なんかすごい!……っていうとパンに香りがないみたいで語弊があるな。匂いがまったくわからないので、「5種の夏野菜カレー」にカレーの香りがあるかどうか、わたしにはわからない!……どういっても語弊がある気がする。わたしはただ、カレーのように強い香りさえわからない自分の鼻のバカさ加減がすごいといいたいだけなのに……あ、そういえばいいのか。しかし味がまったくわからない状態だと、なにを食べても笑えてくる。

夜の体温37度5分。明日は仕事に行けそうだ。


2日(木)

朝起き抜けの体温が、昨夜より高い。38度超えコース。治癒に向かうというより別のフェイズに突入した感。今日も休む。朝食には、残ったスープを注ぎ足し注ぎ足しして、代々守り継がれてきた謎スープ(2週間モノ)。また少し残ってしまった。新しいスープをつくらなければ、明日には完食できるだろうが、同じものだと飽きるので違うのをつくった挙句、また残りを注ぎ足すことになる気配が濃厚。食後、無駄と知りつつ、ミルクコーヒー。やはりなんの香りもせず、ただの苦い湯だった。

昼には38度超え。勘弁してください。昼食は、こないだの残りのしいたけと薄揚げの甘煮を乗せたにゅうめん。

買い置きの風邪内服液(麻黄湯)があることにいまさら気づいた。ひきはじめに飲めと書いてあるけど、症状的には合致するので、まあいいやと飲む。解熱効果があるという板藍根茶も買ってあった。もうちょっと早く気づけばいいのに。

午後には38度5分まで上がった。昨日買い物したり風呂入ったりしといてよかった。スポーツドリンクを枕元に置いてひたすら寝る。

晩飯をつくる気力はないので、昨日買っておいたプリンを食べた。こういうときに食べるのは、安いカスタードプリンがいい。焼いてないやつ。

夜、過去記事再掲。

【Archives】 風邪っぴき三部作 第二部 「風邪っぴきの読書――武田百合子『富士日記』」

みかんゼリー食べて、板藍根茶飲んで寝る。


3日(金)

今朝の体温37度6分。寝てる間にパジャマがぐしょっとするくらいの汗をかいてたので、さすがにもう下がるだろう。板藍根茶とプリン。

昼、謎スープ完食。料理する気が起こらず、新しいスープをつくれなかったのがよかった。ときどきこういうことがないと、謎が謎を呼び、さらに得体の知れないものに進化を遂げて収拾がつかなくなるのだけど、もう風邪はいいです。ほんとうに。

今日、熱は上がりも下がりもしなかった。昨夜より1度低いわけだが、1度下がっただけで、こんなにも体が楽になるなんて、あと1度下がって平熱になったらわたしどうなってしまうん?とか意味不明なことを考える夜。白桃ゼリーをちゅるちゅる食べ、板藍根茶を飲む。

天井になんかキリギリスついてる。


今夜も過去記事再掲。

【Archives】 風邪っぴき三部作 第三部 「発熱思考」

まあ、これで最後なんで、勘弁してください。

背中になんか当たったと思ったら、天井にいたキリギリス(正確にはツユムシ)が部屋の中を飛び回ってる! やめれ! 飛ぶな! かといってわたしの腕にとまるな!……どこ行った?と思ったら布団の上にとまってる。


あんた脚一本どうしたの!? と思ったら床に落ちてた。気の毒に……わたしとの戦いでうしなったのだろうか。腕にとまられても振り払ったりはせずにいたのだけどな。でも、寝る前にはどっかいってください。寝てる間の命の保障はいたしかねます。

 
4日(土)

朝、熱はないことにして測らず出勤。湯に入れてひと煮立ちさせた米と梅干をスープジャーにつめていく。水筒には板藍根茶。ふらふらするのは歩いてなかったせいだ。きっとそうだ。


5日(日)

めずらしく休みの日曜。昨夜12時ごろ就寝して、今朝起きたら11時だったので吃驚した。間に何度か目を覚ましてはいたけど、11時間も眠っていたのか。久しぶりの仕事でどんだけ疲れたというのだ。体力なさすぎ。まあ、おかげで熱は37度ちょいまで下がったし、一昨日部屋の中で暴れていたキリギリスがニガウリの葉陰で休んでいるのを発見したし。うん、キリギリス関係ないね。


正面顔かわいい。緑色ばかりで目立たないけど、下のほう、ちょうどニガウリのつるが丸く囲んだところにいます。

朝昼兼用しらす梅わかめうどん。



夕方、買い物ついでにいつものコースを散歩。ご近所のツバメさん宅。


スポットライトまるごと1本を贅沢に使用しました。5羽の雛がぎっしりつまっています。


川べりになんかオレンジ色の花が咲いてた。近づけないのでわからないけど、ヒメヒオウギスイセンっぽい。


川の上では、ツバメの皆さんがひゅんひゅん飛び回って虫をとっている。5羽を養うご近所さんもがんばっているのだろうなあ。どれかわからんけど。


ムクゲ。



ヒメツキミソウ。



ネジバナ。



川にはニシキゴイ。野良か?



40分ほど歩いて買い物して帰ったら異様に疲れた。そして、醤油がもう少しでなくなりそうだからと買いに出たはずなのに、その肝心の醤油を買い忘れて帰ってきた。まだ平常運転というわけにはいかない。


6日(月)

9時ごろ起床。8時間以上眠っていた。昨日の11時間睡眠は、寝過ぎではなく必要なものだったのだな。カチカチに乾燥したバゲットをかち割って入れたにんにくスープ。


食後にミルクコーヒー。めったにない連休なのに、体を休めるだけというのがつらいな。

昼、刻みうどん。



このお揚げさんは甘くしないで、おつゆにねぎと一緒に入れてさっと炊く。焼いたお揚げさんを刻みねぎとトッピングするというつくり方もあるけど、わたしは一緒に炊いたのが好きだ。ねぎは青ねぎに限る。

熱は37度ちょいのところを横ばい状態。さっさと下がってくれないものか。


7日(火)

こないだのご近所さん(ツバメ)の巣、あんなに雛がぎっしりで、ご両親はどうやって入るんだろ、と思っていたんだけど、暗くなってから見てみたら(別にわざわざ見に行ったわけではなく、たまたまそこを通りかかったので見てみた)、スポットライトをはさんで2羽側と3羽側にそれぞれ乗っかって蓋をするみたいなかたちで寝てた。そうやって雛を守っているのだな。がんばれ、ご両親。


8日(水)

キウイフルーツを食べた。そして種を採取した。



とりあえず、水を含ませたキッチンペーパーに播いてみた。


…… どうなりますことやら。


 9日(木)

今日、昼休みにとあるデパート屋上の園芸売場で多肉植物の苗を見てたんだけど、「女難」っていうのがあって二度見した。よく見たら「女雛」だった。いまこうやって書いてみて、これは空目したわたしを誰も責めはできまいと思った。思ったんだよ。まだ熱が下がりきってないんだよ(ちなみに今朝は37度3分)。許してくれよ。


10日(金)

朝、どこやらで踏切内の安全確認を行ったとかで、電車が遅れていた。テンパってるのか不慣れなのかわからんけど、どことなくたどたどしい感じの構内アナウンスを聞いていたら、「お客様にお詫び申し上げますことを、お詫び申し上げます」っていった。ホントにこういった。えーと、うん。まあ、がんばれ。

2015-07-03

【Archives】 風邪っぴき三部作 第三部 「発熱思考」

熱が37度5分まで下がりました。1度下がっただけでこんなに楽になるなんて、あと1度下がって平熱になったら、わたしどうなってしまうんだろう、といらぬ心配をする回復期。皆さまいかがお過ごしですか。どうぞお体には十分お気をつけくださいませ。
さて、リサイクル記事第三弾です……は、手抜き? ええそうですよ。いいじゃないですか。もうこれでオシマイなんですから。(風邪ネタがまだほかにあったかどうか本人にも定かではないので、続けようにも続けられないと いうのが実情ですが) 


発熱思考

 2012-02-26 14:49:59
テーマ:雑記


よくあることだと思うのだが、熱を出して寝ていると、それはもう様々な思念が訪れては消えていったりするわけで、わたしにも、なかには、これは世界を変える思想ではないかと思ってしまったりするものがあった。しかしそういうものは後々考えると、100%、もういちどいうが、100%、使い物にならない。くどいようだが、100%、スカである(わたしの経験では、ということであって、すべての方にあてはまるものではございません。あしからずご了承くださいませ)。
とはいえ、捨て去るのもしのびない思考の筋道というものもまたあるもので、今回のそれは「天かす」についてであった。

発端は、にゅうめんを食べていたとき。胃の調子がよろしくなかったので、ねぎとおろししょうがだけのものにしたのだが、わたしのにゅうめんの定番の具は、干ししいたけと薄揚げの煮たものである。あればこれに天かすを入れたりもする。いまは無理だなあ、天かす。と思ったら、俄然天かすが気になりはじめた。天かすとはなんぞや。


「天かす」という語は、「天」の部と「かす」の部に分けられる。

「天」とはなにか。それは「海老天」、「天つゆ」などという際の「天」、すなわち「天ぷら」の略語である。
「天ぷら」の「かす」、それが「天かす」なのである。

では「かす」とはなにか。それは「〔名〕 必要なものを取り去ったあとに残ったもの(『明鏡国語辞典』による)」である。天かす問題において、「必要なもの」とは皿に盛られるべき「天ぷら」本体を指す。

それでは「天かす」とはなにか。文字通りには「天ぷらのかす」であって、からりと揚がったえびやきす、野菜などの天ぷらが箸で取り去られた後、揚げ鍋に残ったものである。その内訳は、衣をまぶしたタネを油に投入する際に、タネから遊離し、独立して揚がった小片、および揚げている最中に天ぷら本体から遊離した衣の欠片である。

つまりそれは「衣」が揚げられたものであって、断じて「天ぷらのかす」ではない。あえていうなら、「天ぷらから隔離された衣」である。だが、「天ぷら」とは具材と衣の複合体であり、それゆえに天ぷらにおいて具材と衣は不可分であり、相互参照的なものである。具材あっての衣、衣あっての具材なのであ り、具材なしのそれを衣と呼ぶことにはいささかの躊躇があってしかるべきである。天ぷら本体から遊離した以上、小麦粉と卵と水の混合体が高温の油によって加熱されたものを、衣と呼ぶこと 自体おかしいといわざるをえないのだ。つまりそれは「かつて衣であったもの」というよりは、「衣となりえたもの」、「衣の可能態(デュナミス)」であり、し かし「衣になりえなかったもの」、すなわち「死した衣の可能態(デュナミス)」というべきである。それは断じて「かす」などではない。天ぷらの一部でな く、かすではないもの。それをわれわれは如う呼ぶべきなのであろう。

「揚げ玉」

という言葉があった……

うう……あっ、でもほら、揚げ玉は、なんというかそれだけを生産している感じがする。穴あきお玉かなにかで、「衣のデュナミス」を揚げ油の中にじゃわわわ~っと落として、大量生産。しかも市販のものには味さえつけられている。つまり、揚げ玉は、それ自体が目的である。それ自体が目的であるような存在に対して、「かす」と名づけられさえするものが等位の存在であることは不可能ではないか。つまり「揚げ玉」と「天かす」はその位相を異にするものなので ある。「天かす」はやはり天ぷらの副産物。天ぷらなくして天かすなし、そう、それだ。スーパーの惣菜売場の天ぷらコーナーの片隅で売っている、ポリ袋に入って赤いビニテで口を止められたもの。うどんに入れすぎると胸焼けする、あれ。あれこそが正しい天かすだろう。

「天かす」は「天ぷら」の副産物。ということは

「天かすの生産量は、天ぷらの生産量に規定される」

という関係が成り立つ。変数として、その日の気温・湿度、天ぷら職人の熟練度なども考慮すべきであろうが、「天かすの生産量は、天ぷらの生産量に規定される」は定式としてよいのではないか。そこから敷衍して、

「たぬきうどんの生産量は、天ぷらうどんの生産量に規定される」

という式も導かれる。

しかしここで新たな問題が発生し、事態は暗礁に乗り上げる。

「揚げ玉」を使用したうどんもまた「たぬきうどん」ではないか

という問題。となると、この定式が成り立たなくなる。

さらに「たぬきうどん」とはなんぞや、というアポリアである。

わたしは「たぬきうどん」というのは、天かすをトッピングしたうどんのことをいう、という認識であったが、京都では「たぬきうどん」といえば、冬にうれしいしょうがをきかせたあんかけうどんのことであった。さらにとある大阪のうどん屋にはじめて入ったとき、壁に掛けられたお品書きには「きつね」「たぬき」とあるのみであった。 パニックにおちいったわたしが店のおばちゃんに尋ねたら、「きつね」(「けつね」と発音される場合アリ)とは薄揚げの甘煮を乗せたうどん、「たぬき」とは 薄揚げの甘煮を乗せたそばのことだという。じゃあ、天かすを乗せたうどんは?おばちゃんいわく、「それはハイカラうどん」。 ……文化の壁に打ちのめされた瞬間であった。じゃ、じゃあそれをください、というと、

「ごめんなさいねえ、うち、ハイカラやってませんねん」 


夢打ち砕かれたわたしが、そのとき何を食べたのかはもはや覚えてはいない。いま確実にいえることは、今も昔も、それほどまでにわたしは天かすを愛しているということだけである。

軌道修正して天かすにもどろうか、と思ったが、このあとの記憶がない。なんとなく、この議論がどこかに着地したような気もするが、定かではない。そ もそもここまで書いてきたようなことを、そのまま考えていたとも思えない。すべてが失われてしまったいま、うっすらと思い起こされるのは、その輝かしさがもしかしたら世界を変えていたかもしれなかった思考の残像だけである。
すみません、だれかわたしを正気に戻してください。

2015-07-02

【Archives】 風邪っぴき三部作 第二部 「風邪っぴきの読書――武田百合子『富士日記』」

ただいまの体温38度5分、本日わたしの風邪は治癒に向かうというより、別のフェイズに突入した感がありますが、皆さまいかがおすごしですか。健康ってホントにすばらしいですね。
さて、またしても、2012年に他所で書いた記事の再掲です……は、手抜き? いや、エコです。エコ。ですってばよ。 


風邪っぴきの読書―武田百合子『富士日記』 
 

テーマ:本との生活

熱は微熱にまで下がったけど、まだ頭が痛い。そして今回の風邪はめずらしく胃にきた。呼吸器系が弱いのと、食い意地が張っているせい(かどうかはしらないが)で、風邪をひいてもめったにハラには来ないのだが。むかむかすると粒胡椒を3粒ばかりがりがり噛み砕いて飲む。これが一番効くのだ。あとは土瓶で梅干と生姜を煮出した湯をがぶ飲み。考えたらもう20年以上これでしのいでいる。

子供の頃から風邪は二日目がつらいと思っていた。病院で出してもらった薬を飲んでいたころ、かならず二日目に目が真っ赤に充血し、箱ティッシュを一箱使い切るほどの鼻水とくしゃみの嵐に襲われたもので、風邪とはそういう病気なのだと思っていた。中学生のとき、いちど不精して薬を飲まずにいたら、そんな症状は出なかった。今回の風邪は軽くてすんだな、とそのときは思ったが、それ以降風邪をひいても薬を飲まずにいたら、やっぱりそんな症状は出ず、あれは薬のせいだったのか、と知る。

そういうわけで、10年以上風邪は自力(と民間療法)で治してきたが、あるときけっこうひどい風邪をひいて、これはさすがになにかにすがらねば、とふらふら薬局にでかけて、漢方の「銀翹解毒散」とかいうなにやら恐ろしげな名の薬を勧められて飲んだ。漢方が体に合ったのか体質が変わったのか定かではないが、例のアレルギー症状は出なかった。出なかったけど、効いているのやらどうやらよくはわからなかった、というのもまた事実。薬を飲もうが飲むまいが、治るまでに かかる時間は変わらないような気がするので、わたしにとって薬は気休めである。

今回も、気休めに漢方薬をたいへん楽しい薬局(前記事参照のこと)で買ってきたので、それを飲んで、あとは寝る。切れ切れでもトータル10時間以上眠るとよいような気がする。

とはいえ寝てばかりいると飽きるので、本を読みたくなる。風邪っぴきのときに読める本は限られている。アタマを酷使しないと読めない本は無理なので、当然却下。しかし爆笑エッセイなども、アタマは使わないにしろ体を酷使するので却下。昔わたしは見舞いにと差し入れられた『板谷バカ三代』を病床で読んで死にそうになった

板谷バカ三代 (角川文庫)
ゲッツ板谷 西原 理恵子
4043662041


まわりくどい暗殺かと思った。

それで、読むものは結局、上質のエッセイ・日記の類がよろしいという結論にいたり、わたしはもっぱら内田百閒と武田百合子を愛読している。たまに吉田健一。とくに内田百閒の『阿房列車』シリーズ(一條裕子によるコミック作品もすごくいい)と、武田百合子の『富士日記』、『遊覧日記』は何度も読んだ。いまはまた『富士日記』を読んでいる。

第一阿房列車 (新潮文庫)
内田 百けん
4101356335


阿房列車 1号 (IKKI COMIX)
内田 百けん 一條 裕子
4091790364


富士日記〈上〉 (中公文庫)
武田 百合子
4122028418


遊覧日記 (ちくま文庫)
武田 百合子 武田 花
4480026843


新編 酒に呑まれた頭 (ちくま文庫)
吉田 健一
4480030212


『遊覧日記』の解説で巌谷國士が書いている通り、武田百合子はほんとうに目のいい人だ。よく見る人で、そしてなんともうらやましいことに、見たものに的確な表現を与えられる人だ。今日読んだところからお気に入りの部分を抜いてみる。

  暑いので、町の通りを歩いている人は少ない。この辺では肉体労働をする人の家は昼寝をするらしい。 裏通りの小道を入ると、開け放った家の暗い奥に、老婆が布のように畳に横になっていたり、子供が三人位ごろんとしていたり、おじさんがタンスによりかかっ て眼をつぶっていたりする。  (『富士日記』下巻 pp. 160-161)

「布のように」! 痩せた薄べったい体のおばあさんが何もかけずに畳の上で寝ているのだろうが、すごい。このひとならではの表現。

もうひとつ。いやふたつ。

  車の列の間を歩くと息苦しいので、横町の道を選んで歩く。畑の間に小さな駄菓子屋がある。ブリキの 金魚三個八十円、ビー玉百個百円、ロケット風船十円、しゃぼん玉二十円。ブリキの金魚は、ずっと昔からの売れ残りらしく、一個は二十円にまけてくれる。少 し錆びている。いまはプラスチックの玩具ばかりになったから、ブリキの金魚は売れなかったのだろう。背中に、藻だの、ほかの魚だの、水の流れだの、金魚の棲んでいる世界のすべてがごちゃごちゃと描きこんである。いつみても気が遠くなるような面白さだ。懐かしい。  (同 p. 173)

金魚の背中に金魚の棲んでいる世界のすべてが描きこまれている。目から鱗がぼろっと落ちた。

  今日夕方、玉 [ 引用者注: 猫の名 ] は、はじめて一と足、真白な右足を硝子戸の敷居より出してみた。大急ぎでひっこめ、また出してみた。次にひょっと敷居をこえ全身をテラスに出してみた。そして嬉しそうに得意そうに甘い響く声で鳴いた。  (同 p. 192)

猫と生活したことがある人なら誰にでもわかるだろうが、猫はこんなふうにするものだ。そして「嬉しそうに得意そうに」それも「甘い響く声で」鳴いたなんて、なかなか書けるものではない。 このセンス!

これを書いた当時の武田百合子は、当人にとっても周りにとっても「作家武田泰淳の妻」という立場で、ハウスキーパー、料理人、運転手、秘書、泰淳病後は介護人の役をこなしているだけだったわけで、人に読ませることを目的に書かれたものではない(書くという行為そのものが読者を想定しているものだという議論はこの際おいておくとして)日記で、さらっとこれだけのことを書ける言葉の使い手であったとは、まったく才能というのはどこに転がっているか知れたものではない。ものを書くのがいやで、家計簿すらつけない百合子に「日記をつけてみろ」としきりに勧め、山小屋を建ててからは、「山にいる間だけでも日記をつけてみろ」といった泰淳。百合子の才能を見抜いていたとしか思えない。

<その日に買ったものと値段と天気とでいい。面白かったことやしたことがあったらそのまま書けばいい。日記の中で述懐や反省はしなくていい。反省の似合わない女なんだから。反省するときは、ずるいこと考えているんだからな>といったりした。  (同 p. 338)

<>内は、下巻に付記として百合子が加えた泰淳の言葉だが、百合子の非凡な「見て、表す」能力を活かす最高のアドヴァイスではないか。作家を育てるのも仕事のひとつである編集者の言葉ならば、文句なく満点だ、と編集者ならぬわたしは思う。日記のなかで、「百合子はばかだからな」といったりしているのが百合子びいきのわたしは気に入らなくて、なんだ、このえらそうなマッチョは!と思っていた。許してほしい。何度も読んでいる割には、今回はじめて泰淳のえらさに気づいたスカタンなわたしだが、「ばかだからな」と笑って許してくれるだろうか。

2015-07-01

【Archives】 風邪っぴき三部作 第一部 「風邪っぴき日記」

これは他所で2012年に書いたもの。ただいま風邪をひいて寝ているので、以前書いた風邪っぴき記事をリサイクルしてみようかと……は、手抜き? なんのこってす?


風邪っぴき日記

2012-02-20 15:30:11
テーマ:雑記



職場から強制送還された。
ああ、こりゃ風邪だなと思いはしたが、朝は熱がなさそうだったので普通に出勤したところ、どんどん具合が悪くなっていき、「帰れ!」と。
熱はあるようなないような、ちょっとフワフワした感じ。しかし風邪をひくと打率ほぼ十割で高熱を出すわたしである。とにかく動ける今のうちに薬買っとけ、と帰り道薬局に寄った。

漢方の風邪薬がほしいのだが、というわたしに、おばちゃん薬剤師さんが尋ねた。

「熱はありますか」

測ってないのでわかりませんが、たぶんあるような感じがします。

「ではこれを。食前か食間に飲んでください。当店のスタンプカードはお持ちですか

いえ、持ってません。

「おつくりいたしますか」

あー、ではお願いします(はやいとこ作って帰らせて)。

「このカードは1,000円お買い上げごとにスタンプひとつ押しまして、20ポイントたまりましたら500円のお買い物券として、また40ポイントで1,000円のお買い物券としてご利用いただけます。毎週木曜日はポイント2倍デーとなりまして……」

マニュアル通りの説明をフルバージョンで聞かされた。

おばちゃん、臨機応変って言葉、知ってる?

お金を払って、はよ帰って寝よ、と帰りかけたら、

「本日は風邪が早く治る(←ほんとにこういった)栄養剤の試飲会をしておりますが、お試しになりますか」


お願いです、帰らせてください。飲んだらどうせまた長々とご説明くださるのでしょう? 熱があるっていってるじゃないですか。

「あっ、いえ、もう結構です」

……「もう」っていっちゃった。けどいいや、気持ち悪くなってきてそれどころじゃない。

這う這うの体で帰宅、持っては行ったものの食べずに持ち帰ってきた日の丸弁当で梅粥を作っている間に熱をはかったら39度3分あった。あれ? あるようなないような、って感じだったんだけど、これ、高熱ですよね? 身体感覚がおかしくなってる。






じゃ、もう寝ます。 おやすみなさい。